楢 (ブナ科) Quercus mongolica var. grosseserrata Rehd. et Wils. |
形態 | ・樹高30m、直径1mに達する落葉広葉の高木。枝下短く枝はきわめて太い。 ・樹皮は淡灰褐色で厚く、縦にやや深い不揃いな割れ目がある。 ・葉は互生し、枝先に多く集まってつき、倒卵状長楕円形〜倒卵形。縁は大きな鋸歯縁。基部は徐々に狭くなり耳状となって短い柄になる ・花は雄雌同株。雄花序は黄緑色で尾状、長さ6〜8センチで新枝の下部に下垂する。雌花序は新枝上部の葉腋に1〜3花つき黄緑色。5、6月に開花する。 ・堅果(どんぐり)は長楕円形〜楕円形で長さ2〜3cm。総包(殻斗)は杯状で径約15mm。初め緑色でのちに褐色。 |
||
分布・生態 | 北海道、本州、四国、九州の温帯を中心に、ブナなどと混生するか、または純林を作る。 南樺太、南千島、朝鮮半島、中国東北部などにも分布する。 |
|||
用途 | 材は環孔材で柾目に美しい紋様が現れる。 辺材は淡黄白色で、心材はくすんだ黄褐色を示す。 肌目は粗く、重硬で加工はしにくく仕上げは中庸。 落ち着いた重圧な色合いと加工性が良いため、日本の最も優れた広葉樹のひとつである。 用途は、洋風建築の造作材(窓、階段など)、フローリング、家具、運道具、器具などと広い。 |
|||
その他 | 若齢樹は萌芽力が旺盛なため、薪炭材として利用されてきた。 |