(シナノキ科) Tilia japonika Simonkai |
形態 | ・花は夏の濃い緑の中に咲くので目立たないが、良い香りがして、そこに蜜蜂が群れていることが多い。良質のハチミツが取れる。 ・花軸のもとに、舌のような形の長い飾り葉をつける。 ・秋には褐色の丸い実がなって、飾り葉とともに舞い落ちる。 ・葉は円形に近いハート型をし、大きさは4〜8cmで縁に鋸歯があり、葉柄は無地である。 ・樹皮は、大きくなると縦に裂ける。 |
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分布・生態 | 日本各地、中国に分布する。 落葉樹林の主要樹種ひとつで、高木層を形成する。少し湿った、肥よくなところを好む。よく萌芽幹をだす。 |
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用途 | 材の耐久性は低いが、材質は軽軟で切削その他の加工は容易、塗装性も良い。 用途は器具材、合板材、マッチ材、アイスクリーム用へらなどに用いる。合板は家具材、建築材、版画材、キャビネット材などに使用される。 |
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その他 | 類似の種類にオオバボダジュがある。日本ではシナノキ属のものは造園用に使われる。 少ないがヨーロッパでは重要な並木、公園木であって、世界四大並木樹種の一つとなっている。ベルリンの並木道と知られるウンターデン、リンデンのものは、わが国のシナノキによく似た欧州シナノキである。 アイヌ語ではニベニシといい、内皮のとれる樹という意味がある。 |