(ブナ科) Fagus crenata Blume |
形態 | ・枝葉が密に茂り、幹は直立し、高さ30mにもなり雄大である。 ・樹皮は灰白色で滑らかである。 ・小枝は褐色を帯びて細く、つやがありジグザグ形に伸びている。褐色をした紡すい形の冬芽が特徴的である。 ・葉はひし状卵形で長さ5〜8cmあり、斜めに平行した支脈がはっきりしていて、葉柄に長い毛がある。 ・成熟すれば殻斗が4つに裂け、内に3稜形のソバに似た果実が2〜3個あり、食べられる。 ・ナラ、カシ、シイ、クリがブナ科の木で同じ種類である。 |
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分布・生態 | 北海道南西部から本州、四国、九州の山地にかけて群生する落葉高木で日本の温帯広葉樹林の代表的樹種。その蓄積稜は最も多い。陰樹で成長は遅い。 我国では北海道黒松内に北限があり一般に北になるほど良材が多い。 |
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用途 | 材は散孔材で、本来の心材はないが、一般に偽心材を形成する。広射組織を持ち、ときに征目面では、いわゆる樫目を呈し板目面では美しい文様を現す。 年輪はやや不明瞭で肌目は粗く材の保存性は乾燥状態にないものでは、特に低い。 材は重硬で、切削その他の加工性は中位。 塗装性も良い。 特に曲木加工に適する。 類似の種類にイヌブナがある。イヌブナに対して、ブナをホンブナ、シロブナともいう。 用途は器具材、家具材、建築材(床板など)、合板、漆器素地、船舶材、車両材、銃床材、箱材など。 |